ご祝儀袋の中袋に金額を書く際、「也」という文字を付けるかどうか迷った事ありませんか。「金参萬円」が良いのか「金参萬円也」が良いのか…。
当サイトでは、これまで「冠婚葬祭とマナー大事典(成美堂出版)」を参考に、”金額に「也」をつけるのは祝儀金額が10万円以上と高額の場合”と紹介していました。しかし、マナー本によって異なっていましたので、今回あらためて調査を行いました。
今回は、中袋に金額を書く際の「也」の有無について紹介します。
目次
調査その1:冠婚葬祭マナーに関する書籍にて
様々な冠婚葬祭マナーに関する書籍を調査したところ、書籍によって付いている場合と、付いていない場合がある事が判明しました。
有名なマナー講師の方は「也」は付けていない
テレビや雑誌等でも有名なマナー講師の近藤珠實先生(清紫会新・作法学院学院長)や、岩下宣子先生(現代礼法研究所主宰、マナーデザイナー)が監修する書籍では、「也」は付いていませんでした。
岩下先生監修の「冠婚葬祭しきたりとマナー事典(主婦の友社)」では、"也は不要です"との記載がありました。
また、同じく岩下先生監修の「冠婚葬祭マナーの便利帖(高橋書店)」では、金額のあとに也をつけるのは、銭の単位を使っていた時代に円のあとに金額を書き足されたりしないようにしたもの。今は品物には使いますが、金額には不要です
と記載がありました。
金額が10万円以上と高額の場合に付けるとの記載も
その他、株式会社ザ・アールのマナー教育専属講師の戸田恭子さんが監修する「冠婚葬祭とマナー大事典(成美堂出版)」では、よく金○○円也という書き方を見ますが、也を付けるのは10万円以上など高額の場合です
と記載がありました。
「也」が付いて紹介されている書籍もあり
早井千代子さんの著書「冠婚葬祭おつきあいとお金のマナー(西東社)」では、金額に「也」が付いて紹介されていましたが、なぜ付けるのかといった記載はありませんでした。
調査その2:代筆をしてくれるお店にて
都内の某有名デパート内、祝儀袋売り場の担当者様
『「也」をつけるのは、その昔、円の下に銭(せん)、厘(りん)という単位があったとき、円の後に金額を追加されないようにしたためです。昔からの正式な金額の書き方としては「也」を付けるのがマナーですが、最近では銭や厘という単位が存在しないことから、円のあとに金額を書き足される心配もないので「也」を付けなくても問題ありません。当店では、古くからのマナーとして、代筆の際には「也」を付けております』との事でした。
「也」は付けても付けなくても...
調査をしましたが、古くからの正式なマナーは「也」を付けるようです。
ただし最近では、「也」を付ける由来でもある"金額の書き足し防止"の必要性が時代と共になくなったため、「也」を付けないことがマナーとして一般化してきたようです。
10万円以上の高額の場合は「也」をつけるというのも、高額な金額ゆえに書き換えられたくないとの理由からかと思います。
冠婚葬祭のマナーに関する書籍での記載がバラバラですので、結論としましては正直「也」については付けても付けなくてもマナー違反とはならないと考えます。
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