結婚式のご祝儀マナーの中で、意外と悩むのが『ご祝儀袋の書き方』。
皆さんは、『ご祝儀袋』や『中袋(内袋・中包み)』の正しい書き方をご存知ですか。
「ご祝儀袋はどんなペンで記入するの?」
「ご祝儀袋への名前の書き方がわからない…」
「中袋への金額や住所の書き方は?」
「夫婦や家族など連名で贈る場合の書き方が知りたい」
など、いろいろと気になりますよね。
ということで今回は、結婚式のご祝儀袋の書き方をまとめて解説。
ご祝儀袋への表書き・名前の書き方や、中袋への金額・住所の書き方などを、わかりやすい見本画像付きで紹介します。
目次
ご祝儀袋はどんなペンで書く?
ご祝儀袋や中袋の記入に使う『筆記用具』について解説します。
筆記用具選びのポイント
基本は毛筆・筆ペン!色は濃い黒で
ご祝儀袋や中袋に名前などを書く場合は、『毛筆』『筆ペン』を使うのが基本です。
結婚式などの『慶事』では、必ず『濃墨(濃い黒)』で文字を書くのがマナー。
濃墨(こずみ)には、『お祝いのために心を込めて墨をすった』という意味があります。
反対に『弔事』では『薄墨』で記入します。
薄墨には『涙で墨も薄くなった』『墨を磨る時間も惜しんで駆けつけた』といった意味が。
『濃墨』と『薄墨』を間違えると大変失礼です。
必ず濃い黒の筆記用具で書きましょう。
筆風サインペンがオススメ
ご祝儀袋や中袋の記入は、『毛筆』『筆ペン』が基本ですが苦手な方も多いのでは。
そんな方には『黒のサインペン』がオススメです。
さらに最近は『筆風サインペン』といった文具も。
ボールペンやサインペンに近い感覚で、毛筆風の文字が書ける優れものです。
画像:筆風サインペン
fa-arrow-circle-right出典楽天市場:オフィス・エクスプレス様
表書きをボールペンで書くのはNG
手軽・便利だからと、『ボールペン』や『万年筆』でご祝儀袋の表書きを書くのはNGです。
ボールペンは事務用の筆記用具。
結婚祝いでのご祝儀袋の記入といった、『儀礼的な場合』には使わないのがマナーです。
中袋はボールペンでもOK
最近は記入欄が印刷されている中袋が増えてきました。
このような中袋への金額や名前の記入については、『ボールペン』でも大丈夫とされています。
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ご祝儀袋の表書きの書き方
ご祝儀袋の表書きには、
- 贈る趣旨を伝える『上書き』
- 贈り主の名前
を記入します。
結婚祝いの上書きで一般的なのは、『壽』や『寿』です。
最近は上書きが既に印刷されている祝儀袋がほとんど。
ちなみに『寿』は略式です。
ご祝儀袋の書き方
名前は名字だけでなく『姓』と『名』を書きます。
稀に「誰の名前を書くの?」と迷う方もいらっしゃいますが、ご祝儀袋に書く名前は、ご祝儀の贈り主である『あなた』の名前を書きます。
ご祝儀袋に書く名前は上手でなくても大丈夫。
ただし心をこめて丁寧に書くことが大切です。
どうしても苦手という方は、名前を代わりに書いてくれる代筆サービスを利用すると良いでしょう。
デパートやネットショップなど、ご祝儀袋を多く取り扱うお店で行なっています。
名前の書体は楷書で
相手に礼を尽くすため、楷書で丁寧に書きましょう。
昔は、目上の人には楷書、友人や同僚には行書、目下の人には草書で書きました。
ただし現在では、全て楷書で読みやすく丁寧に書くことが基本となっています。
見本画像:ご祝儀袋の書き方
書き方のポイント
- 名前は楷書で丁寧に書きましょう
- 袋や水引きとのバランスを考えで書きましょう。文字数が多い場合は慎重に
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夫婦で贈る場合の書き方(夫婦連名)
夫婦でご祝儀を贈る場合の書き方には、以下の方法があります。
- 夫の名前を中央にフルネーム、その左側に妻の名のみを書く(夫婦連名)
- 夫もしくは妻を代表とし、代表者1名分の名前を書く
見本画像:ご祝儀袋の書き方(夫婦連名)
書き方のポイント
- 夫婦2人の名前を記入する場合、妻は姓は書かず名のみ
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家族で贈る場合の書き方
家族(夫婦と子供)でご祝儀を贈る場合の書き方には、以下の方法があります。
- 夫もしくは妻を代表とし代表者1名分の名前を書く
- 夫の名前を中央にフルネーム、その左側に妻、子供の順で名のみを書く
- 夫の名前を中央にフルネーム、その左側に『外一同』と書く
- 夫婦2人の名前のみで、子供の名前は書かない
見本画像:ご祝儀袋の書き方(家族)
書き方のポイント
- 家族の場合は、子供の人数で書き方を選ぶと良いでしょう
会社名入りで贈る場合の書き方
おつきあいが浅く、名前だけでは新郎新婦側がわからないのでは...といった場合には、表書きに会社名や肩書きを入れることがあります。
見本画像:ご祝儀袋の書き方(会社名入り)
書き方のポイント
- 会社名や肩書きは、名前の右側に少し小さめの文字で書きます
上書きを自分で書く場合
贈る趣旨を伝える『上書き』。
最近のご祝儀袋には、『寿』や『壽』などの上書きが、あらかじめ印刷されています。
もし自分で記入するといった場合は、結婚祝いに適した以下の上書きを使うと良いでしょう。
- 壽
- 寿
- 祝御結婚
- 御結婚御祝
見本画像:結婚祝いでの上書き
注意
4文字の『祝御結婚』については、『死文体』として忌み嫌う方もいらっしゃいます。
『祝御結婚』を使う場合は、『祝』の文字を少し大きめに書くか、やや離して書くと良いでしょう。
短冊付き祝儀袋の書き方
豪華な水引や檀紙など細かい凸凹がある祝儀袋には、『壽』などの上書きが印刷された短冊が付いています。
この場合は短冊に名前を記入します。
短冊の太さにもよりますが、名前の記入は2名までとするのが良いでしょう。
短冊を重ねて
「喜びが重なるように」という意味で、『寿』などが印刷された短冊と無地の短冊を重ねる方法もあります。
2枚の短冊を重ねる際には、バラバラにならないよう中央の1箇所など、目立たない場所をかるく糊で貼っておくと良いでしょう。
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中袋の書き方
ご祝儀袋に同封されている『中袋(中包み・内袋)』の書き方を紹介します。
中袋の書き方(表側・裏側)
中袋には、ご祝儀として包む『金額』や、贈り主の『名前』や『住所』を記入します。
中袋の表側に金額、裏側に名前や住所を書くのが一般的です。
中袋に記入欄が印刷されている
ご祝儀袋によって付いてくる中袋も様々です。
なかには金額や住所などの『記入欄』が、あらかじめ中袋に印刷されていることも。
また、中袋の表側に住所記入欄があったり、裏側に金額記入欄が印刷されていたりと、そのパターンもいろいろあります。
このような中袋の場合では、指定された記入欄に必要事項を書くと良いでしょう。
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中袋への金額(数字・円)の書き方
中袋の表側には、ご祝儀として包む『金額』を中央に縦書きで記入します。
中袋に金額を記入する場合は、数字や円を『旧字体(大字)』で書くのが正式マナー。
ただし「絶対に旧字体で」ということではありません。
もちろん略式で書いても大丈夫です。
見本画像:金額(3万円)の記入例
もしあなたが、ご祝儀として3万円を包む場合は、『金三万円』や『金参萬円』『金参萬圓』と記入します。
『金』という文字と金額は、少しだけ離して書くのがポイントです。
金額数字の旧字体一覧
ご祝儀の金額でよく使われる数字の略式、正式(旧字体)での書き方を表にまとめました。
参考にしてください。
金額 | 略式 | 正式(旧字体) |
---|---|---|
5,000円 | 金五千円 | 金伍阡円・金伍阡圓 |
10,000円 | 金一万円 | 金壱萬円・金壱萬圓 |
15,000円 | 金一万五千円 | 金壱萬伍阡円・金壱萬伍阡圓 |
20,000円 | 金二万円 | 金弐萬円・金弐萬圓 |
30,000円 | 金三万円 | 金参萬円・金参萬圓 |
50,000円 | 金五万円 | 金伍萬円・金伍萬圓 |
70,000円 | 金七万円 | 金漆萬円・金漆萬圓 |
80,000円 | 金八万円 | 金捌萬円・金捌萬圓 |
100,000円 | 金十万円 | 金拾萬円・金拾萬圓、金壱拾萬円・金壱拾萬圓 |
150,000円 | 金十五万円 | 金拾伍萬円・金拾伍萬圓、金壱拾伍萬円・金壱拾伍萬圓 |
200,000円 | 金二十万円 | 金弐拾萬円・金弐拾萬圓 |
300,000円 | 金三十万円 | 金参拾萬円・金参拾萬圓 |
1,000,000円 | 金百万円 | 金陌萬円・金陌萬圓、金壱陌萬円・金壱陌萬圓 金佰萬円・金佰萬圓、金壱佰萬円・金壱佰萬圓 |
八万円は略式で書くことが多い
末広がりという事で、偶数の中でも八万円をご祝儀で包む方も増えています。
この場合は、旧漢字の『捌(八)』に『別れる』という文字が入っているため、略式の『八』を使う方が多いようです。
大きなサイズで見たいという方は、以下の記事を参考にしてください。
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也(なり)は必要?
『金三万円也』など、金額の後に『也』を付けるか迷われている方も多いのでは。
昔からの正式なマナーは『也』を付けるようですが、最近では付けなくても間違いではありません。
「也」の有無を調査!
中袋への住所・電話番号の書き方
裏側には住所と名前を書きます。
住所を書く際は、『マンション名』『アパート名』などもしっかりと書きましょう。
また『郵便番号』『電話番号』も書いておくと丁寧です。
住所の数字は?
郵便番号や電話番号、マンション名での数字は漢数字、算用数字どちらでも書いても構いません。
縦書きで記入するときは漢数字が基本ですが『一二三』などは読みづらくなることも。
新郎新婦側が読みやすい方法で記入しましょう。
郵便番号などは金額と違い旧字体で書く必要はありません。
『0(ゼロ)』の書き方
縦書きで算用数字の『0(ゼロ)』を書く場合は、横長に『○』と書くのがオススメ。
ハイフン『-』は、漢数字の『一(いち)』と間違えないよう縦ハイフン『|』を使います。
『ご祝儀袋の包み方』『中袋へのお金の入れ方』については、以下の記事を参考にしてください。
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連名でのご祝儀袋の書き方
友人と一緒に連名で結婚祝い金を贈る、また会社名や宛名を入れて連名で贈る際の、ご祝儀袋の書き方を紹介します。
連名で贈る場合(3人まで)の書き方
複数の方が連名でご祝儀を贈る場合の書き方です。
贈り主が3人までの場合の表書きは、贈り主の中で格上、年長の順に、右から左に並べて書きます。同格の場合は、五十音順に右から左に並べて書きましょう。文字の大きさは全員同じにします。
見本画像:ご祝儀袋の書き方(3人までの連名)
連名で贈る場合(4人以上)の書き方
贈り主が4人以上の場合の表書きは、まず代表者の氏名を中央に書きます。そして、その左側に「外一同」と書きます。「外一同」の文字は、代表者と同じか少し小さめに書きましょう。
贈り主全員の名前は、奉書紙もしくは和紙に書いてご祝儀袋の中に入れます。
まず紙の中央の上段に「寿」と表書きをします。そして下段に全員の氏名を格上、年長の順に右から左に並べて書きます。同格の場合は、五十音順に右から左に並べて書きましょう。文字の大きさは全員同じにします。
見本画像:ご祝儀袋の書き方(4人以上の連名)
見本画像:贈り主全員の名前の書き方
連名(会社名入り)で贈る場合の書き方
会社名を入れ、複数の方が連名でご祝儀を贈る場合の書き方です。
まず代表者の氏名を中央に書きます。そして、その左側に「外一同」と書きます。「外一同」の文字は、代表者と同じか少し小さめに書きましょう。名前の右側に少し小さめの文字で会社名を書きます。
見本画像:ご祝儀袋の書き方(会社名入り連名)
連名(宛名入り)で贈る場合の書き方
ご祝儀袋の左上に宛名を書いた場合の表書きについて紹介します。
宛名はご祝儀袋の左上に敬称付きで書きます。宛名入りの場合、通常の連名の書き方とは異なり、宛名に近い方が格上となるため、格上、年長の順に左から右に並べて書きます。
同格の場合は、五十音順に左から右に並べて書きます。文字の大きさは全員同じにしましょう。
見本画像:ご祝儀袋の書き方(宛名入り連名)
- 宛名を入れた連名の場合、贈り主の氏名を書く順番が通常の連名と異なるので注意しましょう
連名での中袋の書き方
連名で贈る際、中袋の裏側に全員分の名前と住所を書くと、窮屈で見づらくなってしまいます。このような場合は別の紙(半紙・和紙)を用意し、そちらに全員分の名前と住所を記入し、中袋・中包みと一緒に入れておくと良いでしょう。
贈り主全員の名前と住所がわかると、お祝いをいただいた側が、お礼状やお返しを出しやすくなります。
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