主賓スピーチを頼まれた皆さん。
結婚式当日に話す内容はお決まりですか。
新郎新婦の上司や恩師などが選ばれる主賓。
招待客の代表である主賓の挨拶には品格が求められます。
そんな主賓・上司のスピーチですが、
「どんなネタを話せばよいか文例が知りたい」
「主賓スピーチの最適な時間はどのくらい?」
「原稿を見ながらのスピーチでも大丈夫?」
「使える格言や名言が知りたい」
など、お悩みも多いのではないでしょうか。
ということで今回は、『結婚式での主賓・上司スピーチ』について解説。
主賓スピーチで話すネタの選び方や文例、時間やカンペなど主賓スピーチでの基本マナーを紹介します。
目次
主賓挨拶・上司スピーチの基本マナー
結婚式での主賓挨拶や、新郎新婦の上司によるスピーチでは、その立場にふさわしい態度や話し方が求められます。
招待客の代表である主賓からの祝辞。
まずは主賓挨拶・上司スピーチの基本的なマナーについて紹介します。
主賓・上司スピーチの時間・長さ
初めて主賓スピーチを頼まれた方は、一番気になるポイントではないでしょうか。
3分以上5分以内が最適
結婚式でのスピーチには決まった時間設定はありませんが、主賓のスピーチ時間は5分を目安に行なうと良いでしょう。
逆に時間が短すぎても主賓の祝辞としては物足りません。
短くても3分以上の内容の濃いものにすると良いでしょう。
原稿作りをしっかりと
主賓スピーチは長くなりがちです。
会社説明をダラダラとおこない新郎新婦への祝辞が少ない…なんてことも。
思いつくままに話すことはせず、しっかりと原稿を作成することが大切です。
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禁句&NGな話題・態度
主賓挨拶・上司スピーチでの禁句やNGな話題といった注意点を紹介します。
忌み言葉・重ね言葉に注意
結婚式でのスピーチには、忌み言葉や重ね言葉といった「禁句」があります。
例えば、離別を意味するような「別れる」「終わる」、不吉な言葉の「死ぬ」や「枯れる」といった言葉です。
このような言葉は避けるか、別の言葉に言い換えて話すよう心がけましょう。
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こんな話題はNG
政治や宗教、思想の話題は絶対にNGです。
また会社社長や上司の方は、会社自慢や宣伝にも注意しましょう。
また新郎新婦へのアドバイスのつもりで、価値観を押しつけるような内容もNG。
「夫や妻はこうあるべき」「早く赤ちゃんを」といった内容は避けます。
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原稿を見ながらでも良い?
主賓挨拶・上司スピーチでは、カンペやメモといった原稿を見ながら話しても良いのでしょうか。
読み上げを避ければOK
紙を見ながらのスピーチは何も問題ありません。
ただし主賓格での挨拶ですので、ただ原稿を読み上げるのは避けます。
話のポイント部分や固有名詞などを確認するために使うと良いでしょう。
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主賓挨拶・上司スピーチの文例&ポイント
結婚式での主賓挨拶・上司スピーチに役立つ文例を、話す際のポイントとあわせて紹介します。
【舞台設定】
上司:黒田(くろだ)さん
新郎:前田雄星(まえだゆうせい)さん
新婦:阿弥(あや)さん
文例:新婦上司(看護師長)
ゆっくりとスムーズに話した場合は、だいたい3分半程度のスピーチとなる文例です。
文例
ただいまご紹介にあずかりました、ゴーゴー総合病院で看護師長をしております黒田と申します。
ご年長の方を差し置いて、はなはだ僭越ではございますが、ご挨拶申し上げます。
前田さん、阿弥さん、本日は誠におめでとうございます。
ご両家の皆様にも、心よりお祝い申し上げますとともに、お招きいただいたことに御礼申し上げます。
皆様、どうぞご着席ください。
新婦の阿弥さんは、看護師としての仕事ぶりはもちろん、いつも優しい笑顔で接してくれる事から、病院内でも人気があり仲間からも大変慕われております。
阿弥さんは、細かい作業も丁寧に一つずつ的確に、間違うことなく処理してくれるので、周囲からも「阿弥さんに任せておけば安心だ」と、信頼が寄せられています。
その丁寧な仕事ぶりや素敵な笑顔は、患者さんにも伝わるようで、年配の患者さんなどに別の看護師が担当すると「今日は阿弥さん、お休みなの?」と聞かれる事もあります。
先日、入院していた患者さんが元気に退院することになりました。82歳のお婆さんです。
通常患者さんはご家族の方が迎えにきて、手続きが済むと直ぐに帰宅されるのですが、そのお婆さんは「阿弥さんにぜひお礼を言いたい、阿弥さんが来るまで待つ」と、病院内に留まりました。
その日、阿弥さんは遅番で出勤が遅かったのですが、お婆さんは病院内で阿弥さんの出勤を2時間ほど待たれておりました。
お婆さんが待っている事を聞き、阿弥さんが駆けつけると、お婆さんは阿弥さんの手を何度も握り締め「ほんとに今までお世話になったね。ありがとうね」と、涙を浮かべてお礼を伝えていました。
私も長く看護師として働いてきましたが、あれほど患者さんに感謝された看護師は見た事がありません。
それほど阿弥さんの患者さんへの接し方が素晴らしかったのでしょう。
阿弥さんはそれほど優しく、誰からも好かれる方なのです。
看護師はとても大変な仕事です。
これからもお仕事を続けられるとの事で、始めは仕事と家庭のペース配分も苦労されていくことでしょう。
でも阿弥さんならきっと大丈夫だと信じております。
それでも大変なときは、前田さん、ぜひ彼女を助けてあげてください。
ゴッホの言葉に「夫婦とは二つの半分になるのではなく、一つの全体になることだ」というものがあります。
この言葉によれば、夫婦はそれぞれが半分ずつを受け持つのではなく、一つの家族になるのが望ましいという事だと思います。
もし阿弥さんが困っていたら、夫婦二人でお互いに助け合い素晴らしい結婚生活を送ってください。
お二人の末永い幸せを心からお祈りして、私の挨拶を結ばせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
ポイント解説
先ほどの文例をふまえ、主賓・上司スピーチのポイントを部分ごとに解説します。
自己紹介
ただいまご紹介にあずかりました、ゴーゴー総合病院で看護師長をしております黒田と申します。
ポイント
司会者から紹介されている場合は省略しても大丈夫です。
謙遜の言葉
ご年長の方を差し置いて、はなはだ僭越ではございますが、ご挨拶申し上げます。
ポイント
他の招待客とのバランスを確認し、伝えるか判断すると良いでしょう。
招待へのお礼&お祝いの言葉
前田さん、阿弥さん、本日は誠におめでとうございます。
ご両家の皆様にも、心よりお祝い申し上げますとともに、お招きいただいたことに御礼申し上げます。
ポイント
新郎新婦はもちろん、両家親族への祝福も忘れないようにしましょう。
着席を促す言葉
皆様、どうぞご着席ください。
ポイント
主賓スピーチの場合は、新郎新婦が立っていることが一般的です。
冒頭部分の最後に必ず着席を促しましょう。
冒頭の挨拶の文例などについては、『結婚式スピーチは始めが大切!祝辞の出だし「冒頭の挨拶」集』という記事で詳しく紹介しています。
中心となる話題・本文
新婦の阿弥さんは、看護師としての仕事ぶりはもちろん、いつも優しい笑顔で接してくれる事から、病院内でも人気があり仲間からも大変慕われております。
阿弥さんは、細かい作業も丁寧に一つずつ的確に、間違うことなく処理してくれるので、周囲からも「阿弥さんに任せておけば安心だ」と、信頼が寄せられています。
その丁寧な仕事ぶりや素敵な笑顔は、患者さんにも伝わるようで、年配の患者さんなどに別の看護師が担当すると「今日は阿弥さん、お休みなの?」と聞かれる事もあります。
先日、入院していた患者さんが元気に退院することになりました。
82歳のお婆さんです。
通常患者さんはご家族の方が迎えにきて、手続きが済むと直ぐに帰宅されるのですが、そのお婆さんは「阿弥さんにぜひお礼を言いたい、阿弥さんが来るまで待つ」と、病院内に留まりました。
その日、阿弥さんは遅番で出勤が遅かったのですが、お婆さんは病院内で阿弥さんの出勤を2時間ほど待たれておりました。
お婆さんが待っている事を聞き、阿弥さんが駆けつけると、お婆さんは阿弥さんの手を何度も握り締め「ほんとに今までお世話になったね。ありがとうね」と、涙を浮かべてお礼を伝えていました。
私も長く看護師として働いてきましたが、あれほど患者さんに感謝された看護師は見た事がありません。
それほど阿弥さんの患者さんへの接し方が素晴らしかったのでしょう。
阿弥さんはそれほど優しく、誰からも好かれる方なのです。
ポイント
新郎新婦の人柄や仕事ぶりを、エピソードを加えて伝えると良いでしょう。
はなむけの言葉
看護師はとても大変な仕事です。
これからもお仕事を続けられるとの事で、始めは仕事と家庭のペース配分も苦労されていくことでしょう。
でも阿弥さんならきっと大丈夫だと信じております。
それでも大変なときは、前田さん、ぜひ彼女を助けてあげてください。
ゴッホの言葉に「夫婦とは二つの半分になるのではなく、一つの全体になることだ」というものがあります。
この言葉によれば、夫婦はそれぞれが半分ずつを受け持つのではなく、一つの家族になるのが望ましいという事だと思います。
もし阿弥さんが困っていたら、夫婦二人でお互いに助け合い素晴らしい結婚生活を送ってください。
ポイント
ご自身の経験や名言・格言などを取り入れて、はなむけの言葉とするのもオススメです。
結び・締めの言葉
お二人の末永い幸せを心からお祈りして、私の挨拶を結ばせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
ポイント
再度、お祝いの言葉を述べてスピーチを締めくくります。
招待のお礼や感謝の言葉を添えても良いでしょう。
『はなむけの言葉』『締めの言葉』の文例などについては、『結婚式スピーチの締めに!結び&はなむけの言葉集』という記事で詳しく紹介しています。
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乾杯の挨拶を頼まれたら
新郎新婦の上司など、主賓として招待された場合、乾杯の挨拶を頼まれることがあります。
乾杯の音頭を取る人は、披露宴出席者の全員がタイミングよく唱和できるよう、上手に誘導することが大切です。全員がグラスを掲げ、声をそろえて唱和することで、一気にお祝いモード全開となり楽しい宴が始まります。
乾杯挨拶の基本マナーや文例については、以下の記事を参考にしてください。
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主賓のスピーチの三要素をおさらい
主賓のスピーチには、それを盛り込むことでゲストの誰が聞いても共感できるスピーチになるという要素があります。
品格
主賓のスピーチにおける大切な要素の1つ目は、品格を感じさせること。
- 正しい敬語といった言葉遣いで話す
- 余裕があり堂々とした態度で話す
- 忌み言葉やお祝いの場にふさわしくない内容を使わない
- しっかりとした服装・身だしなみ
上記を満たすことが、主賓の品格をあらわす重要な要素です。
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称賛
主賓のスピーチにおける大切な要素の2つ目は、新郎新婦を称賛すること。
結婚という新たな人生のスタートを迎えた二人を祝福し、その人柄や魅力をしっかりと紹介し褒めたたえることが大切です。
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助言
主賓のスピーチにおける大切な要素の3つ目は、人生の先輩として助言を与えること。
年長者として、経験を重ねてきた人生の先輩として、これからの生活や心得について新郎新婦にアドバイスすることです。
名言などを上手に使い、新郎新婦が感動する素敵な祝辞にしましょう。
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関係別のスピーチネタ&ポイント
主賓と言っても新郎新婦との関係は様々です。
新郎新婦とあなたの関係によって、話題が変わってくることでしょう。
勤務先の社長・上司
あなたが新郎新婦の勤め先の社長や上司という場合は、職場での話を本題にすると良いでしょう。
新郎新婦の職場での仕事ぶりや人柄を中心に、有能さをできるだけ褒める内容にします。
結婚式当日は新郎新婦が主役。
普段は上に立つ立場でもスピーチでは、新郎新婦に敬意を払うことを忘れないようにします。
恩師
あなたが新郎新婦の学生時代や習い事での恩師という場合は、在学中や習い事の際に印象的だった思い出話を本題にすると良いでしょう。
人柄はもちろん、取り組んだことに対しての成長ぶりなどを盛り込んだ内容にします。
いつもの癖で教師口調になったり、説教のようなスピーチにならないよう気をつけましょう。
親の知人
幼少期から新郎新婦を知るような家族ぐるみの付き合いの場合は、幼いころから現在に至るまでにおける新郎新婦や家族との様子などにふれる内容にすると良いでしょう。
直接の面識がないといった場合は大変かもしれませんが、できる限り主役の二人にまつわるエピソードを探してスピーチに盛り込むようにします。
新郎新婦と接点が少ない場合
会社の社長や役員、親の知人として招かれた場合などでは、新郎新婦との普段の交流がなく何を話したら良いか『話すネタがない』とことも。
このような方には『豊かな人生経験にもとづく贈る言葉』がオススメです。
年齢、社会的地位も立派な『あなた』から、新郎新婦への素敵な『はなむけの言葉』を贈りましょう。
年代別でのネタ&ポイント
一般的には50代以上の社会的地位が高い方がほとんどですが、最近は30代から40代、場合によっては20代の主賓も見られます。
幅広い年齢層において、年代別での主賓スピーチのポイントを紹介します。
20代、30代の主賓
主賓といっても、もしかしたら他のゲストからは若い年代とみられるかと思います。
この年代の主賓が人生訓を語っても似合いません。
新郎新婦に近い目線で、さわやかな若い感性を活かしたエールをおくると良いでしょう。
40代の主賓
先輩や直属の上司などが中心となる世代で、新郎新婦の目標となる存在でしょう。
自分の経験や考えに基づいた、具体的で生き生きとした説得力のあるアドバイスやエピソードをスピーチで披露しましょう。
礼儀を踏まえたうえで、ユーモアも取り入れると素敵ですよ。
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50代以上の主賓
社会的地位があり、威厳や風格が自然と身についている、まさに主賓に相応しい年代です。
ただし礼節をわきまえない態度や、不適切な言動をすれば人格を疑われることもあります。
スピーチの長さにも気をつけ、格調の高い印象的な内容を披露するよう心がけましょう。
結婚式主賓・上司スピーチのまとめ
主賓は来賓を代表してスピーチを行う重要な立場。
招待客の代表格として祝辞を述べるという、しっかりとした心構えが必要です。
だからといって何だか選挙演説のような口調で話したり、美辞麗句ばかりを述べていてもよくありません。
あなたは普段、上司など新郎新婦より上の立場かもしれません。
しかし結婚披露宴の主役は新郎新婦です。
新郎側の主賓であれば新郎を、新婦側の主賓であれば新婦を大いに引き立てることを、絶対に忘れないようにしましょう。
主賓のスピーチは、これから新しい人生を歩み始める二人を激励し、勇気づけるといったことがとても大切です。